vol.16 亜鉛めっき装置が日本経済新聞に掲載されました2010.02.01
記事全文 2010年1月28日(木曜日)
CO2半減 亜鉛めっき装置 三隆製作、自動車部品向け
めっき装置製造の三隆製作(浜松市、鈴木通正社長)は、めっき加工に伴う
二酸化炭素(CO2)の排出量を従来の半分に減られる亜鉛めっき装置を開発した。
装置の形を工夫して、これまでの37%の電力消費量で加工できるようにした。
環境対策やコスト削減に取り組む自動車部品会社などに売り込む。
電気めっきはネジを円筒状のかご(バレル)に入れ、金属を溶かしためっき液に
浸し電流を流す。
新装置は通常はふたでふさぐバレルの両端に直径数十センチメートルの穴を開けた。
バレル内の亜鉛濃度が一定に保たれるため、めっき効率が改善する。
陽極をバレル内に設置し、電気抵抗を減らした。陽極は従来、バレル外に設置する
ため、バレル自体が電気抵抗となり、エネルギー効率が悪化する原因となっていた。
亜鉛めっき加工は金属の腐食やさびを防ぐために自動車部品など幅広い分野で使う。
新装置はネジやボルトを亜鉛めっきから高温で焼いて強度を高めるベーキング炉まで
自動で加工できる。これらの工夫で従来装置に比べて電力消費量を63%削減できた。
仮に年間6000トンのネジをめっき加工した場合、CO2排出量は半分の383トンに減る。
ベーキング炉も効率化してあり、電気やガス、水道料金など合計で年間7700万円の
コストを削減できる。
三隆製作は2月下旬、1号機を自動車部品メーカーに納入する。月間の加工能力は
500トン で価格は3億円程度だ。
新装置は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に温暖化ガス排出削減
支援事業に 認定された。導入企業には国から補助金が出る。
同社によると「自動車部品メーカーは大手自動車メーカーから30~40%のコスト
削減を求められている」(鈴木社長)。
本社工場(浜松市)で新装置の内覧会を開いたところ中国など海外からも引き
合いがあった。年間3台の受注を目指す。
※ 内覧会の様子は、Business Content vol.15 をご覧ください。
次回は、電流効率について考えたいと思います。
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