vol.18 金属産業新聞に掲載されました2010.02.22
記事全文 2010年2月1日(月曜日)
新方式バレルめっき装置開発 CO2、ランニングコスト半減へ
表面処理装置メーカーの㈱三隆製作(静岡県浜松市、鈴木通正社長)は、
新方式による連続ベーキング炉付亜鉛バレルめっき装置を開発。
二酸化炭素(CO2)削減、経費削減に優れた効果があるとして、国が支援する
「新規の温室効果ガス排出削減方法論の確立が見込まれる事業」に認定された。
同装置は、CO2削減50%、ランニングコスト削減50%を達成することを目的に
①めっきに必要な電気量の削減 ②ベーキング炉のインライン化 ③クロメート
処理液の効果的な使用方法-を確立したもの。
新方式である補助陽極付ジンケート浴開放型の回転バレルは、入口にフタがなく
胴体部の特殊穴形状がバレル内の亜鉛金属濃度を一定に保つ効果がある。
ろ過機の液出口をバレル入口付近に設置することができるので、ワークの表面には
常に新しい液が供給される。また、従来はバレル外側に陽極が設置されてバレル
自体が電気抵抗となっていたが、新方式はバレル内に陽極を設置。ワークと陽極の
間に抵抗となるものをなくした。これにより、めっき効率の向上が図られ、大幅な
電気量の削減に成功している。
自社製造のバレルはサイズが、対角450ミリ、長さ580ミリ、容積76L。小ねじの
ような細かい製品に対しては、見かけ上表面積(ワークを塊としての表面積)を
大きくとることができ、電圧を効果的に使ってめっき皮膜を析出できる。
新方式の電気使用量を、従来の六角バレル酸性浴(同社製)と比較すると、新方式
では従来方式の36.9%の電気量で生産が可能となった(表参照)。
その他、コンパクト化により熱伝導を改善したインラインベーキング炉や、クロ
メート処理液を効果的に使うための画気的なワークの浸漬方法など、全体的なライン
の改善を図ることで、電気のほか廃棄物やガス、水の削減に貢献。一連の結果、
CO2削減50%、ランニングコスト削減50%を提案(同社比)できるとしている。
鈴木社長は「CO2の削減で無駄が省かれ利益となる”埋蔵金”を生み出すことができる。
新興国需要に向けた製品の低コスト化の動きがますます強まる中、同装置は生産の
効率化と同時に資源の有効活用、環境負荷の低減を提案できる。」と話している。
同社は、1949年創業。印刷・製本機械の修理、刃物研磨から業務を開始して、
その後めっき装置の製造に着手、現在は搬送装置など自動ライン化までのオーダー
メード受注を手掛ける。07年に本社工場と第二工場を現在地に統合。屋上に太陽光
発電(30KW)を設置。社内使用電気料の15%を太陽光発電でまかなう。昨年9月に
同装置が、国の支援事業である「新規の温室効果ガス排出削減方法論の確立が見込
まれる事業」に認定。今年1月の同装置の覧会を工場内で行った。
問合せは株式会社三隆製作
(〒434-0046 静岡県浜松市浜北区染地台六丁目5番12号
電話053-584-5539、FAX053-584-5540 http://www.mitaka-seisaku.co.jp)まで
次回は、電流効率について考えたいと思います。
〒434-0046
静岡県浜松市浜名区染地台六丁目5番12号
TEL:053-584-5539(代)
FAX:053-584-5540
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