vol.43 海外表面処理事情2011.03.10
ドイツ、韓国の表面処理事情
昨年ドイツのフランクフルトを視察した際、亜鉛バレルめっき装置が
取り払われ、Znコート装置(ドイツの場合は、ドルケン)が設置
されてるのを目にしました。
欧州では環境対応が強く要請されているための結果だと考えます。
水や薬品を使い、排水処理場が必要な亜鉛めっきよりZnコートの方が、
環境負荷が少ないとの判断でしょう。
さらに電気めっきでは水素脆性が発生するため、その対策として
ベーキング処理が必要ですが、Znコート下ではその必要がありません。
最近では焼付温度が260℃程度の仕様もあり、従来の380℃と比較すると
CO2排出量の削減にもなりベターです。
韓国に目を転じれば、現代自動車の仕様変更で耐食時間1,000時間
のスペックを満足させるZnコートが主流(現在シェア70%)と
なっています。
ただ、ワークによってはZnコートが困難なものがあり、その場合は
『合金めっきをベースに1回Znコートをする』というような仕様のもの
も出てきています。
耐食時間1,000時間はオーバースペックであるように思えますが、
現実 3価クロメートに移行してから亜鉛めっきの耐食性には不満の声が
出てきている以上、やむを得ないことと考えます。
しかし、もう少し余分な工程をせずに、今の倍くらいの耐食性が出せれば、
また亜鉛めっきに戻ってくるのではないでしょうか。
今、この流れが本格化するターニングポイントにあるのではないかと考えます。
「本当に亜鉛めっきでは無理なのか?」今一度原点に戻り、亜鉛めっきを
見直す時期ではないでしょうか。
次回は、今年のテーマ「耐食性の上がる装置」を考えたいと思います。
記事UPは3月24日の予定です。
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