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vol.93「めっき設備のトータルコスト」2013.02.21

めっき設備のトータルコスト

めっき設備を計画する場合、目先の生産量・イニシャルコストに目が向くのは仕方が
ないと思います。しかし、弊社は 設備計画の際、以下の事に注目します。
弊社は設備を考えるプロ!参考にして頂ければ幸いです。

1 設備の耐用年数
弊社が製作したエレベーター型亜鉛バレルめっき装置・1号機は、つい最近
まで稼働していました。1972年製ですから40年間生産した事になります。
勿論、大事に使用して下さったお客様の努力の結果だと思っています。
これだけ長く使っていただければ製造メーカーとして「有難い」の一言で
ございます。
弊社の装置は、平均としては20年くらいの使用が一般的です。

2 稼働率、設備能力(稼働日数と始動・終業ロスを計算した設備能力)
弊社の装置は、1日24時間、月曜日から金曜日まで、1ヶ月間で22日稼働と
考えています。
<例> 3分タクトの装置(24時/日、22日/月の稼働日数。稼働率を90%)
月生産量 : 10,560バレル
60分/3分 × 24時/日 × 22日/月 = 10,560バレル/月が生産可能です。
1バレル当たりの投入量 : 60kg~100kg(M6~M8のボルトの場合)
表面積では平均 700dm2/バレルとなります。
一般的には重量で計算しますが、めっきは表面積で表現すべきだと考えて
います。
従来から、50kgバレルとか70kgバレルと表現して設備をするメーカーがあり
ますが、実際に生産を始めると思うほど生産が出来ない事があります。
これは、表面積を意識してない事が原因です。
整流器の選定でも同じ事が原因で、生産が思うほど出来ないことがあります

上記装置の平均投入量を80kg/バレルとすれば、
10,560バレル × 80kg/バレル = 844.8T/月の生産量になります。
これは同時に、7,392,000dm2/月の表面積をめっきすることが出来るという
ことです。
M6だけであれば 630t/月、M10だけであれば 1,056t/月の生産が可能です。
勿論、M6を1バレルあたり100kg投入する設計もできます。

3 ランニングコスト
生産が始まると生産量や不良品対応に追われて、重要項目である『コスト』を
忘れてしまいがちです。
通常、電気使用量・薬品使用量・水使用量をチェックしても「こんなもの」と
思ってはいませんか?
「何故こんなにかかるんだろう?」と突き詰めて考えることを止めてしまって
はいませんか?
それは、設備計画をしている段階でランニングコストを試算していないからで
はないでしょうか。
薬品使用量も、薬品メーカーが初期に出したデーターを踏襲しているからで
しょう。薬品メーカーは、基本 薬品使用量を削減する事は考えていません。
なぜなら薬品を使ってもらう事を前提にしているからです。

弊社では計画段階で電気使用量・薬品使用量・水使用量を削減する事を目的に
設備を考えています。
したがって、実際に消費している電気使用量・薬品使用量・水使用量が、計画
した使用量なのかをチェックすることが毎日の仕事になり、ムダを省いていく
ことが出来るのです。スラッジの廃棄量を削減する事もできます。

4 バレルドラムの消費、装置に関わる消耗品
意外と気がついていないものに消耗品があります。
貴社はバレルドラムの修理・取替え費用をどのくらい予算取りしていますか?
その他、めっき装置にかかわる消耗品の年間予算は?
毎日の消耗品は、実は年間で計算すると大きなものに最初に目に見えてきません
が、「塵も積もれば山となる」。

5 作業環境の改善
めっき処理工程(前処理・めっき)では、アルカリミスト・酸性ガスが発生する
ため局所排気をして工場外へ排出するようにしています。
しかし、装置の構造的な壁により工場内に拡散してしまい劣悪な状態で作業して
いるのが現状です。
弊社で採用しているエレベーター型の装置ならば、発生箇所を排気ケーシングで
囲い込むことが可能です。
めっき臭さを排除して、従来より少ない排気量で快適な作業環境を実現します。

今後設備を考える場合は1~5の項目を参考に、イニシャルコストだけで
なく、ランニングコスト、耐用年数を含めた装置一生を意識して
計画を進めてください

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株式会社 三隆製作

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静岡県浜松市浜名区染地台六丁目5番12号
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