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vol.8 豆知識 : バレル内の金属亜鉛濃度とめっき効率2009.11.23

バレル内金属亜鉛濃度とめっき効率

めっき効率が下がる要因の一つに、バレル内の金属亜鉛濃度の低下があります。
それでは、例をあげて めっき中の金属亜鉛濃度の変化を計算してみましょう!                三隆製作バレル (塩ビ加工工場内)

ボルトM8×20(表面積1kg当たり10dm2)を、MITAKA標準バレル内(容積76L)に
50kg投入した場合。

1.500dm2のボルトに付着する亜鉛量は・・・
頭部の平均膜厚が12μmだった場合、ボルト全体の付着は8μm程度とされて
います。
バレル内500dm2のボルトに付着する亜鉛量は
 500dm2×8μm×0.0714=285.6g

2.バレル内めっき液量は・・・・
バレル内の液量は、バレル容積の80%程度です。
 76L×80%=60.8L

3.めっき前バレル内亜鉛金属量は・・・・
金属亜鉛濃度を12g/Lとすると
バレル内の亜鉛金属量は60.8L×12g/L=729.6g

4.めっき後バレル内亜鉛金属量は・・・・
バレル穴 開孔率を23%とすると、バレル内の金属量の減少は
 285.6g×0.77≒220g
 729.6g-220g=509.6g

上記の計算より、めっき液1リットル当たりの亜鉛金属濃度は、
めっき処理後 509.6g÷60.8L≒8.4g/L となります。

めっき開始前、金属亜鉛濃度12g/Lあったものが、めっき終了後には8.4g/Lまで
減少したことになります。

この金属亜鉛濃度の低下が、めっき効率の下がる要因となっています。
そこで、バレル穴の形状を工夫します。バレル穴の形状によりバレル外側の
金属亜鉛濃度の濃い液を補給し続けることが可能です。
めっき皮膜析出分以上にバレル内に亜鉛が補給されれば、めっき終了時点でも
バレル内の金属亜鉛濃度はバレル外の濃度と変らないことになり、めっき効率を
下げる要因の一つを無くすことができます。

株式会社 三隆製作

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