めっき(必要膜厚)を析出させるための電気量削減 vol.2662024.02.16
めっき(必要膜厚)を析出させるための電気量削減
めっき膜厚を析出させるための電気量を削減する方法とは。
電流密度 単位面積 : 1dm2
10cm×10cm=100cm2を 1dm2 と言います。
単位面積(1dm2)当たりに 1Aの電流を流すことを、電流密度 1A/dm2 と表現、または表示します。
ジンケート浴・バレルめっきでは、下記のようなめっき効率のデータがあります。
一般的に使用されている電流密度 1.5A/dm2、1.0A/dm2より、0.5A/dm2 付近の方が、めっき効率が高くなっているという結果です。
ボルト等、測定する部分が高電部にあたる場合はめっきが析出しやすい部分となります。
めっき析出のための電気量はどのように計算するかというと、
整流器より流した電流(A)×電圧(V)×時間(H) これを整流器の変換効率で除したもの。
計算例① :
電流密度 1A/dm2 で 表面積500dm2 の製品を 50 分間めっきした場合
通電電流は 1A/dm2×500dm2=500A
その時の電圧は 10V
10V×500A÷1000×50/60≒4.17KWH
4.17KWH÷0.82(整流器変換効率)=5.09KWH
計算例② :
電流密度 0.5A/dm2 で 表面積500dm2 の製品を 70 分間めっきした場合
通電電流は 0.5A/dm2×500dm2=250A
その時の電圧は 5V
5V×250A÷1000×70/60≒1.45KWH
1.45KWH÷0.82(整流器変換効率)=1.76KWH
上記の計算例から、同じ膜厚を析出させる場合、電流密度を下げめっき時間を長くすることで使用電気量を削減できることがわかります。
例えば、電流密度を半分(1.0dm2から0.5dm2)にし、2 倍の時間をかけた場合では使用電気量は半分になる計算です。
電気使用量 50%の削減が可能なのです。
また、この計算ではめっき効率を考慮していないため実際にはさらに削減効果が上がると考えます。
電気量は、電気抵抗Ωの値を減らすことにより電圧 V は小さくなり、削減量が大きくなります。
弊社テスト結果では、開放型(補助陽極付)バレルドラムを使用した場合、従来と比べて 37%の電気量で同じ膜厚が析出しました。
つまり 電気使用量63%削減が可能です。
(上記数値は、弊社内テスト結果のため環境他条件により変動します)
電気使用量削減・めっき装置のご相談は、三隆製作へお問い合わせください。
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次回vol.267では、【電解熱発生量削減による電気量削減】についてお伝えします。
省エネタイプ、エレベーター型亜鉛バレルめっき装置のリーディングカンパニー
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