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データーの可視化と試算 vol.2742024.04.24

データーの可視化と試算

三隆製作では、膜厚析出に関わるデーターの可視化を重視しています。

ジンケート浴では、「電流密度・めっき効率」「亜鉛金属濃度・めっき効率」の特性を利用します。
「カーボンニュートラル」が叫ばれる今、いかに少ない電気使用量で膜厚析出・膜厚均一性・膜厚バラツキ収束・めっき効率向上を実現するかを目指しています。

弊社「ドラム内陽極方式バレルドラム」にて、国内外の薬品メーカーのめっき液を同じ条件下でめっきテストをしました。
それぞれのめっき液で、Min・Ave・Maxの値に大きな差が出ており、これはめっき液組成による影響と考えています。
今後は「ドラム内陽極」との相性が注目点だと考えています。

また、海外と国内でのめっき析出時間がめっき液組成に影響しているのではないかと考えます。
国内のユーザー様は単時間での処理を要望、海外では、環境を考慮して長時間で実施。
電流密度の設定値の違いがあると思います。

電流密度・めっき時間による膜厚析出に関わる電気使用量・電解熱発生量を試算すれば明らかになります。

膜厚析出に関わる電気使用量を、以下の条件で計算して比べてみましょう。

〇 通電量設定・通電時電圧推定
〇ジンケート浴の特性を利用
〇膜厚仕様 8μmの場合・投入量 1,000dm2/バレル

1 電流密度 1.0A/dm2・めっき時間 60分・めっき効率 67.3%
通電量 1,000A・15V推定
電気使用量 1,000A × 15V ÷ 1,000 ÷ 0.89 × 60分/60分 = 16.85kwh
電解熱発生量 1,000A × 15V × 0.86 = 12,900kcal/h

2 電流密度 0.5A/dm2・めっき時間 80分・めっき効率 100%
通電量 500A・10V推定
電気使用量 500A × 10V ÷ 1,000 ÷ 0.89 × 80分/60分 = 7.49kwh
電解熱発生量 500A × 10V × 0.86 = 4,300kcal/h

3 電流密度 0.3A/dm2・めっき時間 120分・めっき効率 100%
通電量 300A・3V推定 ドラム内陽極方式
通電量 300A × 3V ÷ 1,000 ÷ 0.89 × 120分/60分 = 2.02kwh
電解熱発生量 300A × 3V × 0.86 = 774kcal/h

上記は、私がめっき装置製作に関わった1970年代から現在に至るまでの通電量設定変遷の歴史です。
同じ膜厚析出をさせる方法として、通電量設定を小さくすることで電気使用量・電解熱発生量を少なく出来ます。

 

省エネタイプ、エレベーター型亜鉛バレルめっき装置のリーディングカンパニー
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