vol.40【めっき新方式の提案 №2】フランジナット2011.01.25
【めっき新方式の提案 №2】M6,M8のフランジナットをめっきする
フランジナットは表面積大きいため(M6ナットが20dm2/kg)、従来は
バレル本体を小さくし、一回のバレル投入量を少なめにして(30kg)
電圧の高い通電方法でめっきをしています。
そこで、三隆製作は従来の困難な点を解消し、電気使用量(ランニングコスト)
二酸化炭素排出量を削減する新方式を提案します。
【めっき新方式】は
開放型(補助陽極付)バレルによるめっき です。
この方法は、以下のように従来のめっき方法の困難な点を解消します。
1. 大量に投入可能
2. めっき液の内外交換が容易
3. 電気抵抗が小さい(補助陽極効果)
4. フタがないので、挟まり不良がない
新方式は、大量投入による生産性の拡大、電気抵抗が少ないことによる
電気代低減等のコスト削減効果が期待できます。
それでは、具体的に従来の方式と新方式にかかる電気代を比べてみましょう。
まず<従来の方式でフランジナットをめっきする場合>のコスト計算です。
<条件>
【バレル寸法】 対角400㎜ 長さ 650㎜ 穴径1.5φ長穴
【バレル投入量】 30kg
【めっき時間】 70分
【整流器】 15V 700A・・・14台
(サイリスター型 変換効率0.716)
【生産量】 210t/月
上記条件の場合、
○ めっきに係る電気代は、
15V×700A÷1000÷0.716×14台×20H×25日=102,653KWH/月
○ 電解熱による液温上昇を抑えるための電気代は
15V×700A×0.86×14台=126,420Kcal/H
126420Kcal/H×0.8=101,136Kcal/H
101,136Kcal/H÷860Kcal=118KW
RCUP1180A5のチラーユニット相当(消費電力34.5KW)
34.5KW×20H×25日=17,250KWH/月
102,653KWH+172,500KWH=119,903KWH/月
119,903KWH÷210,000kg/月=0.57KWH/kg
15円/KWH×0.57 KWH/kg=8.55円/kg(1KHW=15円で計算)
つぎに<新方式でフランジナットをめっきする場合>のコスト計算です。
<条件>
【バレル寸法】 対角700㎜ 長さ800㎜ 穴径3φ×12長穴
【投入量】 MAX 100kg
【表面積】 2,000dm2/バレル
【めっき時間】 70分
【整流器】 12V 1000A・・・18台
(トランジスター型 変換効率0.82)
【生産量】 1500kg/H 900t/月
上記条件の場合
○ めっきに係る電気代は、
12V×1000A÷1000÷0.82×18台×24H×25日=158,048KWH/月
○ 電解熱による液温上昇を抑えるための電気代は
12V×1000A×0.86×18台=185,760Kcal/H
185,760Kcal/H×0.8=148,608Kcal/H÷860Kcal=172.8KW
RCUP1800A5のチラーユニット相当(消費電力56.3KW)
56.3KW×24H×25日=33,780KWH/月
158,048KWH+33,780KWH=191,828KWH/月
191,828KWH÷900,000kg/月=0.213KWH/kg
15円/KWH×0.213KWH/kg=3.195円/kg(1KHW=15円で計算)
■生産性の拡大 生産量4倍
従来方式1ヶ月 210t → 新方式1ヶ月 900t 生産量4倍
■コスト削減 電気量63%減
従来方式1ヶ月あたり 8.55円 → 新方式1ヶ月あたり 3.195円
■CO2排出量削減 年間1293.6t-CO2
従来の方式で生産していた場合のCO2発生量
0.57KWH/kg×900,000kg/月=513,000KWH/月
51.3万KHW/×3.355t-CO2/万KWH=172.1t-CO2/月
新方式で生産していた場合のCO2発生量
0.213KWH/kg×900,000kg/月=191,700KWH/月
19.17万KHW/×3.355t-CO2/万KWH=64.3t-CO2/月
年間発生量
172.1t-CO2/月-64.3t-CO2/月=107.8t-CO2/月
107.8t-CO2×12ヶ月=1293.6t-CO2
新方式では、年間1293.6t-CO2の削減ができます。
ご質問等ございましたら、お気軽にお電話、メールでお問合せください。
次回は、長いワーク(L270㎜)のバレルでのめっき方法を紹介します。
〒434-0046
静岡県浜松市浜名区染地台六丁目5番12号
TEL:053-584-5539(代)
FAX:053-584-5540
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