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vol.279 膜厚析出に関わる電気使用量を削減する方法2024.09.16

膜厚析出に関わる電気使用量を削減する方法

1バレル当たりの膜厚析出に関わる電気使用量の計算式は、
通電量 = 電流密度 × 表面積/バレル
電気使用量 = 通電量 × 通電時電圧 ÷ 1,000 ÷ 整流器変換効率 × めっき時間/60分

通電量や通電時電圧を小さくすることで、電気使用量の削減効果が見込めます。
数値を入れて試算してみましょう。

比較例①
弊社のめっき装置での設定値です。
電流密度: 0.5A/dm²
めっき時間: 80分

処理表面積1,000dm²/バレルの場合
通電量 = 0.5A/dm² × 1,000dm² = 500A
電気使用量 = 500A × 推定電圧 10V ÷ 1,000 ÷ 0.89 × 80分/60分 = 7.49kWh
電解熱発生量 = 500A × 10V × 0.86 = 4,300kcal

比較例②
電流密度を0.3A/dm²、めっき時間を120分に変更した場合:
通電量 = 0.3A/dm² × 1,000dm² = 300A
電気使用量 = 300A × 推定電圧 6V ÷ 1,000 ÷ 0.89 × 120分/60分 = 4.04kWh
電解熱発生量 = 300A × 6V × 0.86 = 1,548kcal

比較例③
ドラム内陽極を設置した場合
1,000dm²/バレルの場合:
通電量 = 300A
電気使用量 = 300A × 推定電圧 3V ÷ 1,000 ÷ 0.89 × 120分/60分 = 2.02kWh
電解熱発生量 = 300A × 3V × 0.86 = 774kcal

上記3つの試算比較からもわかるように、通電量や通電時電圧を低下させることで
膜厚析出に関わる電気使用量および電解熱発生量削減ができます。
電気使用量の削減は、結果としてCO2発生量の削減にも繋がります。

 

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