vol.57 低電流密度設定の効果-32011.09.28
薬品汲みだし量の比較計算
薬品の汲み出し量は、バレルが一回に汲み出している量の総計で計算します。
従来のバレルで1回 1.5L~2.0Lの汲み出し量とされています。
汲み出し量はバレル穴の径によって、
大きな差が出ます。
株式会社三隆製作では、この汲み出し量について
研究工夫を重ね、その結果 1回当たり0.5L
という汲み出し量に到達しました。
1) 従来装置 の汲み出し量
タクトタイム 180秒 → 20回/H
1.5L/回×20回/H×24H×25日= 18,000 L/月
つまり、脱脂・酸洗・電解脱脂・めっきの各工程で、
月々18,000Lの薬品の汲み出しがあることになります。
2) 低電流密度装置 の汲み出し量
3) 補助陽極付開放型バレル装置 の汲み出し量
タクトタイム 240秒 → 15回/H
0.5L/回×15回/H×24H×25日= 4,500L/月
1)従来装置と、2)or3)新型装置の汲み出し量を比べると
18,000L-4,500L= 13,500 L/月
汲み出し量は 従来の1/4に激減します。
この 13,500Lの差 がどういう数字か、具体的に計算してみましょう。
<例1> 脱脂剤の場合。
1L中に脱脂剤が75g含まれているとすれば
13,500L×75g/L=1,012kg/月
1,012kg/月×12ヶ月=12,150kg/年
年間 12,150kgの脱脂剤が節約できます。
20kg入りの袋であれば、607袋が削減できる計算です。
<例2> めっき液の場合。
1L中に亜鉛金属10g、苛性ソーダ120g含まれているとすれば
亜鉛 13,500L×10g/L=135kg/月
135kg/月×12ヶ月=1,620kg/年
年間1,620kgの亜鉛が節約できます。
苛性ソーダ 13,500L×120g/L=1,620kg/月
1,620kg/月×12ヶ月=19,440kg/年
年間19,440kgの苛性ソーダが節約できます。
20kg入りの袋であれば、972袋が削減できる計算です。
さらに、薬品汲み出し量を減らすことにより、排水処理で出来るスラッヂ量も
1/4に減ります。
上記の状況であれば、給水量も削減することが可能だと考えます。
以上、3回にわけて低電流密度設定の効果をお伝えしました。
いかがでしたでしょうか。
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